たゆたふままに

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小川洋子の「言葉の標本」     小川洋子/福住一義

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1989年から2010年までの小川洋子24作品から、ワンフレーズやワンセンテンスを抜粋し、標本として展示した本。というと、なんだか分かりにくいかもしれないが、作品の紹介本といってもいい。そうはいっても標本なので、虫ピンで留めてあったり標本瓶に入っていたり・・・写真も多く、読み物というよりやはり標本なのでしょう。創作の発端など興味深いお話や言葉も多く、面白い。標本に触れると、それぞれの場所に一瞬で漂うことが出来そうで私にとっては大切な1冊になりそうだ。

小川洋子さま、福住一義さま、続編がいつか出版されますことをお待ちしております。そして、あれは泉屋のクッキーの空き缶ですね。あまりに懐かしく、独り言。。。。




画像は2013.7.東京上野にて、
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by yuhu811 | 2014-05-07 16:16 | Comments(0)

「あん」     ドリアン助川

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若い頃、あんはつぶあんと決めていた。それが五十を過ぎたあたりから、いえいえあんはこしあんでしょ!と、すっかりこしあん派になっていたのだが、この頃またもつぶあん派になってきた。ふっくら炊いたつぶつぶあんこに魅了されている昨今なのだが、そんな味わい深いあんのようなお話である。あんこのレシピ本ではない。桜の木の前に建つどら焼き屋で働く千太郎という青年の前に、あるときアルバイト募集の張り紙を見た76歳の吉井徳江という女性がやってくる。桜とあんと囲われた世界がキーワードとなり、思わぬ世界が広がっていく物語。・・・私たちはこの世を観るために、聞くために生まれてきた。この世はただそれだけを望んでいた。・・・という一連の件に勇気づけられる人は多いと思う。



画像はサクラではなくてウメだけど、2014.3.4.さいたま市にて、
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by yuhu811 | 2014-03-18 16:46 | Comments(2)

「ブラフマンの埋葬」     小川洋子

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ブラフマンという生き物がなんという動物かは分からないが、人と心を通わすことが出来、愛すべき姿の生き物で、黑い鼻と小さな耳と毛と水かきを持っている。その動物が、あるとき主人公である僕のところにやってくる。光があふれ、水は輝き、風がうたう中で暮らす僕とブラフマン、そして僕のかかわる人々との光景が坦々と語られていく。生きることを楽しむように泉の中を泳ぐブラフマンや、彼らの暮らすそこの風景が、頭の中で延々と広がっていくのが心地よい。そして死の影がいろんな場所に見え隠れしている。タイトルに埋葬とあるように、それはあっけなくやってくる。あまりにあっけなくて、そんな~ってカンジなのだが、やっぱ、小川洋子好きだー!きっと、私の見たい景色を見せてくれるからなのだと、そう、今回思った。



画像は2013.12.埼玉県にて、
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by yuhu811 | 2014-03-14 17:56 | Comments(0)

「アンダー・ザ・ドーム  上・下」     スティーブン・キング

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BSディーライフで放映されていたテレビドラマの原作本である。3話まではテレビで見たのだが、なかなか定期的にチェックするということが出来ず、本で読むことにした。まずは本の厚さに驚いた。それから4ページにもわたる登場人物の多さにも驚いて、読み始めたとたん、ドラマとは全く違う過激な内容に衝撃を受け、んー、これ読めるかな?と思いながら、気が付けば寝ても覚めてもアンダーザドム。読了、後、目の痛みと頭痛に襲われた。ジェットコースターを途中で降りられないのと同じように、読むことを止めることが出来なかった。怖ろしいけれど、スティーブンキングのジェットコースターに乗ってみたい方はどうぞ。

内容は、アメリカのある田舎町が突然大きなドームに包まれてしまうところから始まる。その隔離された社会の中で起きる恐怖と狂気。これほどあからさまではないにしても現実にも似たようなことが起きているのではないかと、本の世界と現実を往ったり来たりして、余計に気分が悪くなった。気分が悪くなりながらもその世界を疾走してしまう恐怖SFサスペンスの世界だった。ちょっと刺激的すぎて平常心に戻るのにしばし時間がかかったが、たまにはいいかもしれない。こういう恐怖を何故味わいたいのか、ヒトって不思議。。。。???



画像は、2013.11.さいたま市内にて、
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by yuhu811 | 2014-03-07 11:02 | Comments(0)

「堀文子の言葉 ひとりで生きる」     堀文子

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ようやく先日の雨で、庭に残っていた雪が全て土の中へと沁み込んだ。それから咲いた庭の梅の花は満開を過ぎ、今日の雨で見納になるかな・・・と地面の花弁に目をやると土の中から顔を出していたのは蕗のとう。目に見えて、命が次から次に吹き出す季節になった。

「ひとりで生きる」は堀文子さんの極上のデザート集。このごろはベッドサイドに置いてある。寝る前に、あてずっぽうにぱらりと開き、そーか、生涯の華々しい収穫の時に向かって生きなければ、とか、そーか!旅に出なければ!とか。。。。また、なかなか味わえない苦いデザートもあるのが好いところ。サムライに会ったことはないけれど、サムライの覚悟というものはこういうものかもしれないと感じている。




画像は、2014.1.東京都にて
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by yuhu811 | 2014-03-05 15:02 | Comments(2)

「森の力」     宮脇昭

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だいぶ前、三十光年の星たち(宮本輝著)を読んだときから気になっていた人。それが、宮脇昭さんだ。三十光年の星たちの中では、木を植える人として登場する。木を植えるといっても資源にするための植林ではなく、日本古来の森をつくっている。植物生態学者である宮脇氏は、日本古来の木はタブノキであることを突き止め、僅かに残されたタブノキが、鎮守の森の中で守られてきたことを発見する。そして、タブノキを中心とした多用な樹種による森づくりが始まった。それは、自然の理である潜在自然植生に基くもので、こうした植生が災害から人々を守ってきたからだ。関東大震災、東京大空襲、そして津波でもそうだった。松林は倒れ人家を壊したが、古来からの植生たちは水の流れを止めた。災害の多い国土なのだから、国家プロジェクトとして日本古来の樹木からなる鎮守の森を作ってほしいと訴えている。



画像は2014.1.25.栃木県にて、残念ながらタブノキではありません
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by yuhu811 | 2014-02-03 16:09 | Comments(0)

「ソウルメイト」     馳 星周

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大晦日に紅白歌合戦を見ないで何をしていたのか・・・・そうだった、この本を読んでいたのだ。犬と人の物語が七つおさめられているこの本を・・・。七つの物語の前に、犬の十戒という詩が載っている。ここで、いきなり心が痛み、涙腺が緩む。それぞれの話のタイトルは、チワワ、ボルゾイ、柴、ウェルッシュコーギーペンブローク、ジャーマンシェパードドッグ、ジャックラッセルテリア、バーニーズマウンテンドッグ、となっているので犬好きにはたまらないだろう。犬があまり得意ではない私は、トリやネズミやネコや虫、キンギョにも愛情を注いできたことはあるのだけれど犬を飼ったことはない。けれども、犬はまさに魂の伴侶なのだ(いや猫だって・・・ということは置いといて、)ということに納得した。泣けたー。また、今を大切にしなければ、本気で家猫と向きあわなければ、という思いも強くした。最終話での冬の軽井沢、千ヶ滝周辺の風景描写が素晴らしく感動的で、無性に行ってみたくなった。この物語になった舞台に行きたーい!




画像は、2013.12.24.埼玉県にて
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by yuhu811 | 2014-01-26 15:53 | Comments(0)

「漂う」     黒井千次  

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2010年4月から2013年3月まで、毎日新聞に36回にわたり掲載されたエッセイをまとめた一冊。サブタイトルに、古い土地新しい場所とあるように、思い出の中にあった各地を再訪したときのことが記されている。新宿の大久保通りから始まる再訪は、主に東京を歩いたものになっているが、熱海や名古屋、広島なども訪れている。心の中にある風景と、目の前にある風景の中を、あたかも一緒に漂うように往ったり来たり・・・。やさしくて味わい深い文章が心地よく、変化が少しさみしくとも、苦しみや悲しみを見つけても、思いもよらぬ方角から言葉の光が差し込んできて、目が開かれる。風景に思いを馳せながら、私もいつか再訪の旅に出てみたくなった。



画像は、2013.12.24.埼玉県にて、
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by yuhu811 | 2014-01-24 17:33 | Comments(0)

「クリスマス プレゼントン」     スズキコージ

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本日休業の札が下がった店のガラス窓のむこうで、元気いっぱいに雄鶏が主張してるな。。。と見ていると。。。。え?!プレゼントンおじさん!?!?!と、思わずシャッターを切った。プレゼントンおじさんとはスズキコージの絵本に出てくるおじさんたちのことで、サンタクロースのことだ。彼らのことがとても楽しく描かれているのがこの本なのだ。

この本に出合ったのは、子どもたちが小学校に入る前だったような・・・・かれこれ25年前くらい?その頃地域で、絵本の読み聞かせや絵本作り、手遊びやら工作やらキャンプやら、仲間といろいろ企画して子育てを楽しむ、というような活動をしていた。そのときに、図書館で借りたものの1冊だった。子どもたちはこの本が大のお気に入りで、寝る前に何度も何度も読まされた。図書館から何度も何度も借りた。なので我が家の本棚に・・・と思ったのだが、なんと絶版だったのだ!出版社に問い合わせても売れ残っているのがあればあるかもしれないが調べられない・・・という返事。古本屋を探すにしてもどこの古本屋にあるのかないのか・・・で、愛しの娘たちの為に表紙から裏表紙まで全文コピーして本の体裁を整えた。けど、今思えばこれって違法?!だったかもしれないなぁ・・・(すみません)

プレゼントンおじさんに出会ってから、そんなことを思いだし、また読みたくなった。今は便利、座ったままで調べることが出来るのだもの。そして図書館で、探すとあったあった~♪予約して手にすると復刻版!おぉーそれでは新本どこかにあるのでは?と、今度はインターネットで検索すると、果たしてあったのだった。そういう訳で、今ようやく、我が家の本棚に収まった。久しぶりに手にした「クリスマスプレゼントン」はやっぱり楽しくて面白い~。読み聞かせする相手はいないけど、めでたしめでたし~♪




画像は2013.11.都内を闊歩するプレゼントンおじさん、と信じてる
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by yuhu811 | 2013-12-19 14:32 | Comments(6)

「風の旅人 妣の国へ~来し方、行く末~ 復刊3号」     かぜたび舎

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十二月に入り風の旅人復刊3号が届いた。今回のテーマは、妣の国へ~来し方、行く末~。今回は写真に吸い寄せられている。表紙は中村征夫さんの写真。開くと、山下大明さんの写真と文。それからそれから・・・・まずは、見入る日々が続いている。
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2013.12.自宅にて
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by yuhu811 | 2013-12-17 17:33 | Comments(2)