たゆたふままに

タグ:本のきろく ( 124 ) タグの人気記事

「ゼロになるからだ」      覚和歌子

a0021110_15523967.jpg

半年ほど前のことだけれど、たまたまお気に入りの写真家さんのサイトを見ていたら、写真映像とともに覚和歌子さんのライブがあるというので、ぽちっと申し込んだ。覚和歌子さんの詩を知ったのは、だいぶ前だけど、たまたま美容院で目にした雑誌だった。その詩の内容はなんだったかなーというほどの記憶なのだが(すみません)衝撃だった。だからその名前を見たときに、おっ!とその時の衝撃を思いだし、高砂淳二さんの写真とコラボだから、おおっ!!!となって、むむっとぽちっとしたわけだ。ライブは生ギターも素晴らしく~~~~すっかりこころふるふるしてしまってCDもぽちっとして、この本も読んでみた。詩集かと思いきや、詩集のような物語のような、むこうもこちらも、彼岸も此岸も、あるいは現か夢かを行ったり来たりの不思議の世界が広がっている。不思議といえば、”千と千尋の神隠し”も不思議の世界で、その主題歌”いつも何度でも”の歌詞は覚和歌子さんの詩だったね。

・・・・その後、高砂淳二さんと覚和歌子さんのコラボレーション本「yes」が発売されて、それももちろんベッドサイトに置いてある。・・・「yes」はもう少し豪華本がよかったなー・・・というのが個人的な感想でありまして、ちと残念。





画像は、2015.9.19.長野県にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-10-14 15:51 | Comments(0)

「インフェルノ」   上・下      ダン・ブラウン

a0021110_1552521.jpg

久々のミステリー、面白かったー!宗教象徴学者のロバートラングドンが、ICUの一室で目覚めるところから始まる。ところがそこにいる理由が全く分からない。記憶がごっそりと抜け落ちていたのだ。何があったのか・・・と思い出そうとするまもなく、銃を持った追手らしき人物がやって来る・・・ダンテの神曲を手掛かりに、フィレンツェからヴェネチア、イスタンブールへと舞台を移しながら、謎に迫っていく。ミステリーだから詳しく書かないでおくが、謎解きだけではなく行く先々で目にする建築や絵画の描写が素晴らしい。まさにともに旅をしているようだったが、読者にも様々な問題を投げかけられ読後、ダンテの”地獄のもっとも暗きところは倫理の危機にあっても中立を標榜(ひょうぼう)する者たちのために用意されている”という一文に、いろいろ考えさせられる。ラングドンシリーズの第四作になるこの本は、すでに映画化が決定している。




画像は、2015.5.東京都
[PR]
by yuhu811 | 2015-10-13 17:57 | Comments(0)

「巨岩と花びら」  舟越保武画文集     舟越保武

a0021110_14261718.jpg

大先輩のFさんと、またもや珍問答してしまったと気がついたのはこの本を手にした時だった。・・・・F氏:彫刻家の舟越保武さんはご存知ですか?ワタシ:はい、知ってます。F氏:その方が書いたエッセーがあるんですよ、知ってる?ワタシ:そうなんですか!あの天童荒太さんの本の装丁に使われたりして・・・独特の雰囲気を持った彫刻で・・・作品を観に行ったことありますけど本は知りませんでした。F氏:えぇと長崎の殉教者記念像とかの・・・ワタシ:はい、舟越さん。F氏:ご存じなんですね。その方の本を今読んでいるんですが、これはあなたにピッタリ!きっとあなたの役に立ちますからぜひ読んで・・・・・と薦めていただいた一冊。

Fさんここで白状します。その本を手にしてみるとなんか違う、私の想像していた舟越さんと違うよなーと。ぱらぱらめくると、”聖クララ”に”病醜のダミアン神父”、”たつ子像”って有名だけど舟越さんだったのね、でも・・・ワタシの話した作品と違うし、としばらく考えた。えぇと、フルネーム?はてーなんといったかな?と調べると桂さん、あーそうだった・・・やっぱり違う舟越さんだった。けれどなんか共通するものを感じるのは同じ彫刻家だからなのかな?そこで経歴やら出身地を読んでいるうちに、舟越保武さんは舟越桂さんの父親なのだと知った次第。おぉー大発見!保武さんはよく存じ上げませんで、頓珍漢なお話しました。

さてこの本、みかけはこじんまりとして手になじむ。中身はずっしりと重たい本だった。永遠と一瞬の出合った瞬間を捉えたときの驚きや作品への思い、信仰や親への反発、生きるために労した日々のこと等々が記されている。中でも親への反発からとってしまった自分の言動を回顧する場面は、痛む心がひしひしと伝わってきて涙があふれた。いとつひとつの作品に込める思いというものは、ずっしりと重たい。




画像は、2015.1.2.東京都千代田区にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-05-14 14:01 | Comments(0)

「1945年のクリスマス」     ベアテ・シロタ・ゴードン

-日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝-構成文:平岡磨紀子
a0021110_12482869.jpg

日本国憲法草案に携わったのは25人、そのうち女性6人、大学教授や弁護士・法学博士などで構成されていた。日本の民主化、婦人参政権で民主主義とは何かを示す、政治犯の釈放、秘密警察の廃止、労働組合の奨励、農民の解放、教育の自由化、自由かつ責任ある新聞の育成、再び軍国主義にしないこと、がマッカーサーの日本改造計画であった。それをもとに草案を作成した。ユダヤ人女性のベアテ・シロタ・ゴードンさんは、それに携わった人物のひとりである。自伝ではあるのだが、日本国憲法の成り立ちが生々しく語られている。

ベアテは1945年の12月24日、アメリカから日本にやってきた。そのとき22歳だったが、日本に来るのは初めてではなかった。ベアテの両親はキエフ生まれで、父親はピアニスト、リストの再来といわれたレオ・シロタだった。レオ・シロタは山田耕作の招きで東京音楽学校に赴任しており、家族も一緒に来日し日本で暮らしていたからだ。ベアテは5歳から15歳までを東京の赤坂乃木坂で過ごした。その後ベアテは日本を離れるが、1941年に戦争がはじまると、両親は敵性外国人として軽井沢に追いやられる。軽井沢は第三外国人強制疎開地に指定されていたからだ。ベアテは両親の安否が確認できずに過ごすが、戦争が終わりGHQの求人募集に応募して日本にまた来ることができた。両親の安否を確かめたいという気持ちからだったというが、6か国語をあやつれるということもあり”人権に関する課”に所属した。責任者ロウスト中佐は「我々の仕事は新しい民主主義の日本を建設するために、軍国主義時代に要職についていた人物を追放することなんだ。あなたは女性だから、女性の小さな団体を調べて該当する人を探し出してほしい。」といい、ベアテの最初の仕事が始まる。

ベアテは、軍国主義時代の日本で育ったので心配だったという。日本民族の付和雷同的性格、自分から意見を言わない引っ込み思案的な性格、しかも過激なリーダーに魅力を感じる英雄待望的な一面があり、本当に民主主義は根付くのか?心配だからこそ憲法に、女性や子供の権利を饒舌に書いたのだそうだ。一部は手直しされてしまうが、日本国憲法第24条となる。

1946年2/13、GHQの憲法草案が、吉田茂外務大臣と松本烝治国務大臣へ渡されるが、日本国政府は内容に大変ショックを受ける。2/18、日本国政府側が改正案を提出するが、これをのまないと天皇を戦争責任から守れないと門前払いとなる。その後、両者で様々なやり取りがあり、3/6、日本国政府より草案を発表。3/7、新聞のスクープで”戦争放棄の新憲法草案!”と報道される。1946年11月3日、日本国憲法公布。1947年5月3日、憲法施行、憲法記念日となる。

日本国憲法は押し付けられたものだという考えがあるけれど、大きな犠牲を払ったのち、理想に燃える人々から市井の人々にもたらされた思いがけない宝物なのでは?日本は負けたけど平和で自由な社会になった。平和ボケといわれても、社会も心も平和がいいに決まってる。今の憲法のどこが時代に合わないのだろう?憲法は政府を縛るものなのに、その政府が変えようっていうのはどういうこと?戦争放棄も大切だけれど、基本的人権を奪わないでー、男女平等を奪わないでー、やめてー、と、切に願うこの頃です。

その後ベアテさんは僻地の素晴らしい民族芸能を世界に紹介する橋渡しとなった。2012年12月30日没、89歳でした。

<この憲法が宣明自由・権利・および機会は、国民の絶え間ない警戒によって保持されるものである>




画像は、2015.4.2.埼玉県さいたま市にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-05-13 16:37 | Comments(0)

「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」  矢部宏治

a0021110_179753.jpg

あるとき写真の集まりで、知人のWさんと原子力の話になった。いろいろ話をしているうちに、日本はまだ占領されているんだ、とWさんは言った。まさかー!でも確かにポチのようだけど・・・・?あれからだいぶ経つのだけれど、この本を読んで、ようやく、そういうことか、ポチどころの話ではなかった・・・と暗澹たる気持ちとなった。ところどころ私には難解ではあったけれど、学校ではスルーしてしまう戦後から現在までの歴史の流れは分かった。これは読んでおいたほうがいいように思う1冊。




画像は、2015.2.10.埼玉県さいたま市にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-03-19 17:24 | Comments(0)

「物乞う仏陀」     石井光太

a0021110_16504856.jpg

たぶん猿岩石のことだろう・・・、筆者はテレビで彼らがユーラシア大陸を横断する旅番組を見て、世界に憧れたたという。そして旅立った。ところが、目にしたものは予想もしなかった世界だった。溢れる難民に物乞う障害者たち。それは何故なのか?その答えを知りたくて、カンボジア・ラオス・タイ・ベトナム・ミャンマー・スリランカ・ネパール・インド、と旅をした。世界は知らないことばかり、目を背けたくなる現実を綴ったドキュメンタリー本。2005年に出版されたものなので、世界は少し変わったか変わらないのか?よくなったか悪くなったか・・・??




画像は、2015.2.10.埼玉県さいたま市にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-03-19 17:05 | Comments(0)

「ロスト・ケア」     葉真中 顕

a0021110_1637135.jpg

第16回日本ミステリー大賞新人賞に選ばれた本。ストーリーは連続殺人犯を裁く判決の場面から始まる。連続殺人というと、猟奇的なものを思い浮かべてしまいがちだが、これはちょっと違う。人としての尊厳とは?介護とは?経済活動とは?と様々な問題を投げかけている。




画像は、2015.2.10.埼玉県さいたま市にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-03-19 16:45 | Comments(0)

「半島へ」     稲葉真弓

a0021110_1612397.jpg

あるとき目にした半島の崖に魅せられて、そこに住むようになるまでの女性のはなし。鳥羽の海を入り口に持つというその半島での光や風や音や匂い、森や海からの贈り物に感謝しながら暮らす人々を、心地よく丁寧に描写していく。けして都会の暮らしを否定するわけではないのに、そこでの生活に惹かれていくさまが、いいなぁ。これは本当にあったこと?と思ったが、七割方創作だそうだ。稲葉さんの選んだ土地を、一緒に歩かせていただいた。そんな感想を持った。




画像は、2015.2.10.埼玉県さいたま市にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-03-19 16:34 | Comments(0)

「独居老人スタイル」     都築響一

a0021110_15445512.jpg

んーこれなになに~?・・・と、本を開いて驚いた。まずはプッチャリンさんが登場していたからだ。といっても、プッチャリンさんというお名前は、この本を読んで知ったのだけれど・・・・、この人あの人だーって・・・浅草では有名人だったのだーって。
プッチャリンさんには、少し前に合羽橋をぷらぷら歩いていたときにばったりと出会った。素敵な笑顔を撮らせていただいて、それから手に手を取り合って路上でダンスして、すごーく楽しくて、久々に最高に笑った日、のあの方ではないですか~。あはは、あのひと時をありがとうございましたー♪と読んだのだけれど、この本はプッチャリンさんだけではなく、16人の自由で気ままな独居老人スタイルを取材したものだ。中でも”首くくり栲象(たくぞう)”さんと”ダダカン”さんは強烈だ。写真をじーーーーーーくり見て釘付け状態になった!どんな写真なのか気になるかたは、ぜひご覧ください。




画像は、2015.1.10.東京都台東区にて、
[PR]
by yuhu811 | 2015-02-17 16:17 | Comments(0)

「寡黙なる巨人」     多田富雄

a0021110_14595281.jpg

2001年に脳梗塞で倒れたときの生死の彷徨いで見たものやリハビリの苦しい日々を克明に綴ったもの。しゃべれない歩けないという苦悩の日々だが、あるとき自分の中に”寡黙なる巨人”を発見する。この思い通りにならない鈍重なる巨人とともに生きていこうと決心し、表現し社会に参加することの喜びが語られていく。リハビリは人間の尊厳の回復である。美を言葉に置き換えて解釈しようとするのは愚である。などなど印象に残った。

画像は2015.2.4.埼玉県新座市にて、平林寺の樹齢500年という高野槇(こうやまき)
[PR]
by yuhu811 | 2015-02-17 15:32 | Comments(0)