たゆたふままに

「罪の声」     塩田武士

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小説現代の電子版に、2015.10~2016.1月号まで連載された「最果ての碑」を大幅に加筆修正したもの。

物語は「テーラー曽根」の主人、曽根俊也が、ある日父親の遺品の中から黒い手帳とテープを見つけるところから始まる。テープの声を聴くと、それは31年前の自分の声だった。一方、新聞社に勤める阿久津は「昭和の未解決事件」を取り上げる企画を任された。その二人が「ギン萬事件」という未解決事件を軸に、テープの声と手帳のメモの謎に迫っていくというもの。物語りの中の「ギン萬事件」とは「グリコ森永事件」そのもので、フィクションではあるけれど、どこかでこれに似た物語があったかもしれないと思わせる内容だ。これを読んで、「グリコ森永事件」のニュースで流された、テープの幼い声を思い出した。犯罪に利用された子供が、その後の人生に与えられたものの大きさに胸が締め付けられる思いがする。




画像は、2017.5.9.さいたま市にて、カクタス咲く


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by yuhu811 | 2017-06-01 09:25