たゆたふままに

「写真関係」     石内都

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東京国立博物館に行ってきた。公開中の庭園散策が目的だったのだが、もちろん館内も必見だ。知らなかったのだが考古のフロアと法隆寺宝物館がリニューアルされていた。考古フロアは2015年にリニューアルされたというのだから、2年も知らずにいた。ふむふむ2年など、びゅーと過ぎていくのだなー。考古フロアは埴輪が林立していてとても楽しい。埴輪かわいいー♪なんて歩いていると、えぇ?!と目に飛び込んできたのが、画像の馬の鉄仮面?!だった。馬冑(ばちゅう)という。5~6世紀古墳時代の戦闘用馬具で和歌山県で出土されたもののレプリカだ。当時としては稀少な舶載品のようで、古墳時代の埴輪展示の中にあり何か違和感を感じたのかもしれない。えぇ!なんだ~これはー!!!と思いまじまじ見るうちに、思いは痛みとともに違うところへと飛んで行った。飛んで行った先は、石内都さんの撮ったフリーダ・カーロのギブスだった。

フリーダ・カーロの遺品写真は本で見ただけだが、心の奥深くに入り込む。”ひろしま”や”命の衣”、”マザーズ”などの写真もそう。その石内都さんがエッセーを出したのだから読まねばなるまいと昨年秋、手にしたのがこの本「写真関係」である。で、驚きの馬具から思い至り、本のきろくに記しておこうとなったわけだ。

内容は、"絶唱横須賀ストーリー"から現在に至る時と思いのながれ、写真を撮るときに大切にしていること、母親のことや自分の名前のことなどなど綴られていることは興味深い。印象に残ったのが「時のうつわ」という捉え方だ。身体は時を貯蓄する入れ物という実感は、想像することしかできないのだけれど、そういう捉え方があったのかと。あぁだからこそ、あのように撮れるのかもしれない。また石内都さんはあとがきで、文章を書くように勧めてくれた編集者のIさんに触れている。その方に私だってお礼を言いたい!石内都さんて話してみたいけど話せない。どんなこと考えているのか少し知りたい。だから、よくぞ勧めてくださった!編集者の眼力っていうのかな?すごいなーってそのことも再認識したのでした。




画像は、2017.4.1.東京国立博物館にて、
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by yuhu811 | 2017-04-04 16:37 | Comments(0)