たゆたふままに

「密やかな結晶」     小川洋子

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様々なものが一つずつ消滅していく島の物語。ある朝起きると、薔薇の花が、あるいは鳥が、また違う日にはハモニカが、写真が、本が消滅していく。消滅といってもモノが自然に消えて無くなるというよりも、消して無くさせる力が働いて、本当に無くなるのはモノに対する記憶だ。物語は島の暮らしと主人公である小説家の描く物語の二重構造になっている。摩訶不思議で怖い物語ではあるのだけれど、現実にも似たようなことは起きていて、気付かないだけかもしれないなーと読後いろいろ考えてしまった。「言葉の標本」によると、1994年初出の初書きおろし長編小説本。



画像は、2014.3.7.東京上野にて
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by yuhu811 | 2014-05-08 16:01 | Comments(0)