たゆたふままに

「しがまっこ溶けた」     金正美(キム・チョンミ)

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あるとき日曜美術館で、鉛筆画家の木下晋さんが描いた、詩人桜井哲夫さんの姿を観た。それは、両手を合わせおじぎをしている姿だった。昇華とか、清浄とか、そういう言葉が浮かんでくるような姿だった。それで、桜井哲夫さんの詩を読んでみようと思いどんな作品があるのだろうかと調べてみると、詩を読む前にこれを読んでおいた方が理解が深まるだろうという記事に出合った。確かに・・・この本を読んでいなかったら、よく分からなかったと思う。

内容は、高校生だった金正美さんが、初めて桜井哲夫さんと出会ってからの8年間の心と心のふれあいを記したものだ。桜井哲夫さんは17歳でハンセン病を発病し、群馬の草津療養所で隔離された生活を送ってきた方である。そのお顔は、療養所内で薬が間に合わず、殺菌のために焼きごてで焼かれたのだそうだ。。。。が、その彼がらいになって良かった、という。何故、そのようなことが言えたのか。。。。

彼はこの本の中で、心に響く大切なことをたくさん言っている。小さな不平不満を言う自分の喉元を、きゅっと絞められた、というか、浮かれた頭をガツンとさせられたようで、心に残る1冊になった。

しがまっことは津軽弁で氷のことだそうである。




画像は、2009.1.12.栃木県にて
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by yuhu811 | 2013-01-21 17:21