たゆたふままに

「人質の朗読会」

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小川洋子さんの「人質の朗読会」を読んだ。人質という囚われの身である8人+ひとりが、人生を振り返りこころに止まったことを書き止めそれを朗読する、という形をとって9編が収めらている。その中にコンソメスープを作る場面があるのだが、それを観察する目と表現が秀逸で心地よい。言いたいけれど、感じているけれど、言葉に出来ない部分を丁寧に拾い上げて語り掛けてくれる。コンソメスープが五臓六腑に広がるように、暗闇で光を見つけたように、眠っていた部分を覚醒されていくような、快感の文章である。調理器具の下り、牛肉が登場してからの描写に魅了された。また、ハキリアリの潔さと美しさを忘れてはならないなと心に刻んだ。

それぞれまったく違う人生を歩いてきた老若男女だと思うのだが、語り口は一人のように響いてきた。人質になってかなりの月数が過ぎていたということ、翻訳者が介在しているという形をとっていること、だからなのかもしれないが。。。
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by yuhu811 | 2011-06-27 18:07 | Comments(2)
Commented by ねじっこ at 2011-06-28 17:43 x
こんにちは♪ 先日は丁寧なお返事をいただき、ありがとうございました。
この小川洋子さんの作品も、今一番気になっています。
どうやら、期待が裏切られなさそうですね。
マイノリティのひとびとを、実に懇切に描写するところが、小川さんの好きなところです。
悪意がないというところも。
どんな朗読会だったのでしょうね。
さっそく読んでみます、と言いたいのですが、少々今は忙しいので、後になりそう。
またご報告しますね!

吉田篤弘さんは「空ばかり見ていた」と「それからはスープのことばかり考えて暮らした」が秀逸です。
Commented by yuhu811 at 2011-06-29 17:05
ねじっこさん、「人質の朗読会」ぜひぜひお楽しみに~♪
そうなんですねぇ、いいですねー

今日はカレー用に肉の塊を買ってきましたので(豚肉ですがぁ。。。)
なでなでしながら、じっくり観察しながら、本に流れていた時間を思い浮かべながら
包丁を入れてみたいと思っています^^

吉田篤弘さんのいくつもある作品の中から、選んでいただいた2作品、
ありがとうございます。近いうちに、読んでみますね~。